【9月16日 AFP】米ケンタッキー州ルイビル(Louisville)で黒人女性のブリアンナ・テイラー(Breonna Taylor)さん(26)が警官に射殺された事件の訴訟で、遺族は15日、市が遺族に1200万ドル(約12億6000万円)を支払い、市警察が改革を約束することで和解したと発表した。

 事件は今年3月13日に発生。自宅アパートで交際相手と就寝中だったテイラーさんは、捜査令状をもとに捜査を執行した私服警官3人に踏み込まれ、8回撃たれた。警官らは、義務付けられていたボディーカメラの起動を行っていなかった。

 その際、交際相手の男性も銃で応戦し、巡査部長1人が負傷した。男性は後に、犯罪者が侵入してきたと思ったと供述している。

 この事件をめぐっては世界中で怒りの声が上がり、著名人らも注目を寄せた。全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2020)女子シングルスで優勝した大坂なおみ(Naomi Osaka)選手は、テイラーさんの名前が入ったマスクを会場で着用した。

 この事件で逮捕された警官はこれまでに一人もおらず、ルイビルでは数週間にわたって激しい反人種差別デモが行われている。(c)AFP/Charlotte PLANTIVE