【9月16日 Xinhua News】中国の科学者がこのほど、甘粛省(Gansu)甘南チベット族自治州合作市(Hezuoで2500万年前の動物の化石を発見した。専門家は、青海チベット高原の隆起を研究する上で重要な意義を持つと語る。

 化石は中国科学院古脊椎動物・古人類研究所と北京大学(Peking University)が共同で実施した調査で見つかった。漸新世(ぜんしんせい)末期のもので、アプロトドン(蘭州巨獠犀)などサイ2種類、初期の反芻(はんすう)動物3種類、大型のイノシシ、ナキウサギなど多くの小型哺乳動物が含まれていた。

 同研究所古哺乳動物研究室の王世騏(Wang Shiqi)主任は「アプロトドンは形状的に現在のカバに近い」と指摘。巨大な下顎切歯(牙)を持つ大型動物で、下顎骨の前部が平たいのが特徴だと説明した。今回の発見は、青海チベット高原の隆起と気候変動を研究する上で重要な意義を持つとも述べた。

「甘粛省臨夏回族自治州や寧夏回族自治区(Ningxia Hui Autonomous Region)、内モンゴル自治区(Inner Mongolia Autonomous Region)でも漸新世末期の動物化石は見つかっており、今回の化石もこれら3地区で出土したものと類似している。しかし合作市の現在の標高はこれら3地区より明らかに高い」とも指摘し、2500万年の間に合作市のある青海チベット高原の北東周縁部が大きく隆起したことを証明していると述べた。

 合作市の平均標高は2900メートル余り。一帯では多年にわたり第四紀氷河時代のケブカサイやオーロックスなどの動物化石が多く見つかっている。(c)Xinhua News/AFPBB News