【9月18日 Xinhua News】中国湖北省(Hubei)武漢市(Wuhan)の東湖畔にある湖北省博物館で12日午前、西周から戦国時代の諸侯国、曽国の青銅器を集めた特別展「曽世家文物特展」が開幕した。新型コロナウイルスの影響で休館していた同館が6月に一般公開を再開してから、大規模な文化財の特別展を開くのは今回が初めて。

 展覧会では、同省随州市(Suizhou)の葉家山や文峰塔、京山市(Jingshan)の蘇家壟(そかろう)など曽国の遺跡で出土した青銅器からえりすぐった62点(組)を展示し、西周初期から戦国中期にかけての曽国の青銅文化をまとめて紹介。史書に記載のない曽国の700年余りの歴史を浮かび上がらせている。

  展示品には日本に流出し、昨年中国へ返還された青銅器も含まれ、同省にとって初の「里帰り」展示会となる。今回展示される「曽伯克父青銅組器」は昨年、中国文化・観光部や国家文物局の支援の下、日本から返還された。中国政府が海外の文化財市場での違法取引阻止や国境を越えた返還請求に成功した文化財のうち、最も高い価値を持つという。

  館長の方勤(Fang Qin)氏は、「曽伯克父青銅組器」は甗(げん)、盨(しゅ)、霝(れい)など計8点で、形状や文様、銘文などの特徴が西周後期から春秋初期の青銅器の様式と一致することから、同省の随州市から棗陽市(Zaoyang)にかけての「随棗回廊」一帯に点在する曽国の墓地から出土したと推測できると語った。(c)Xinhua News/AFPBB News