【9月15日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領は14日、大規模な山火事に見舞われている米カリフォルニア州を視察した。その際現地で受けた状況説明の場で大統領は、地球温暖化は自然と落ち着くと述べ、同国西部の広範囲をのみ込んだ猛烈な山火事の原因が気候変動にあるとの見方を否定した。

 一連の山火事では、初夏から少なくとも35人が死亡している。大統領選での再選に向けた地方行脚の3日目、空路で同州サクラメント(Sacramento)を訪れたトランプ氏は、過去最大規模の山火事の根底には温暖化があると訴えた州当局者らに異議を唱えた。

 トランプ氏は「そのうち涼しくなる。見ていればいい」と話した。これに対し同州の天然資源局長は「科学が大統領と同意見だったらよかったのですが」と返答した。

 大統領は同州到着直後にも、山火事の要因は森林を燃えにくくするための管理が不十分だったとする自身の主張を繰り返し、「厳しい森林管理を実施しなければならない」と述べていた。

「森林に関して言えば、木が1年半程度の短い期間の後に倒れると、非常に乾燥する。まさにマッチ棒のようになる」「それで爆発する」と話した。

 一方、大統領選の民主党候補ジョー・バイデン(Joe Biden)前副大統領は、トランプ氏のこの発言の数分前に別所で、トランプ氏を「気候放火犯」と呼び、もし再選を許せば環境にとって壊滅的だと批判。

 バイデン氏は「もし気候放火犯をさらに4年間ホワイトハウス(White House)にとどまらせれば、より多くの国土が火に包まれたとしても誰も驚かないだろう」と話し、トランプ氏は現在も続く山火事の危機の責任を取っていないと激しく非難した。

 その上で「われわれには科学を尊重し、気候変動による被害はもう表れていると理解できる大統領が必要だ」と強調した。(c)AFP/Jerome CARTILLIER / with Jocelyne ZABLIT in Los Angeles