【9月15日 AFP】男子テニス、四大大会(グランドスラム)通算17勝を誇るノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)は14日、今年の全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2020)での失格処分から「大きな教訓」を得たとしながらも、これから同様の短気な振る舞いは絶対にしないとは言えないとの認識を示した。

 米ニューヨークで開催された全米オープンの4回戦で、怒りにまかせて意図せず線審にボールをぶつけるという騒動を起こしてしまったジョコビッチは、イタリア国際(Internazionali BNL d'Italia 2020)が行われているローマでの記者会見でそれ以来初めて公の場で口を開き、「自分が短気なのは理解しているが、これが自分の性格であり、これまでもずっとそういう選手だった」と報道陣に語った。

 イタリア国際で4度優勝しているジョコビッチはまた、「あのことは、これからも決して忘れられないと思う。なぜなら、自分の残りの人生においてずっと脳裏に焼き付いていくものだからだ」とすると、「もちろん、自分は完璧ではないし欠点もある」「当然ながら、これまでのキャリアで浮き沈みを経験し、多かれ少なかれ感情を制御してきた」と話した。

「多くの試練や重圧がある。それら全部に向き合っていかなければならない」「だから、時にはこういうことが起きてしまう。これからの人生において、同様の振る舞いは絶対にしないとは約束も確約もできない。分からないよ」「もちろん、これから最大限に努力をして、あんなことは二度と起きないようにしていくつもりだ」

 ラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)とロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)がそろって不在となった今年の全米オープンで、グランドスラムのタイトルを追加する絶好のチャンスを逃した33歳のジョコビッチは、「身体面と同様に精神面や感情面を懸命に鍛え、コート内外で最高の自分が出せるように努力している」と強調した。

「だけど、人生では何でも起こり得る。今回のことは、可能な限り心に深く刻んでいくべき大きな教訓としてとらえていくつもりだ」「もちろん、あのことが起きた直後は、受け入れるのはかなり難しかった」 (c)AFP/Anthony LUCAS