【9月16日 People’s Daily】村は緑に覆われ、林の木陰の歩道は水辺のあるテラスに続いている。過去の「プラスチック村」が今の美しい村になるまで、中国江蘇省(Jiangsu)宿遷市(Suqian)宿城区(Sucheng)耿車鎮(Gengche)劉圩村(Liuwei)のここ数年の変化は、当の村民すら驚くものだった。

 2015年以前、耿車鎮は中国東部最大規模のリサイクルペットボトル加工基地のひとつだった。劉圩村では数え切れないペットボトルごみが運び込まれ、洗浄・破砕して顆粒(かりゅう)状のリサイクル原料に加工される。この低利益・高汚染の発展モデルは、この地の汚染を深刻なものにした。「家の周りはごみだらけで、川や池の水は臭く、通りかかる車さえ耐えがたい臭いのために窓を開けたがらないのです」。村民の王振華(Wang Zhenhua)さんは当時の状況を思い出して首を振った。

 2016年の初め、地元政府が廃棄プラスチック産業を禁止することを決意し、59の取引所を全て閉鎖した。ショベルカーが池や溝を掘り、ペットボトルの残骸20万トンを掘り出した。その後、再び開墾された土地は2600ムー(約1.7平方キロ)、整備された池や溝は500か所以上、植えられた苗木は72万株、きれいな水のほとりで緑の茂る景観が徐々に復元された。

 住環境が良くなった後も、村民の就職先を確保するという難題があった。耿車鎮は生態系や環境に配慮した発展の道を進み始めた。インターネット起業を発展させ、物流や特色ある農業、家庭用製品の製造などの産業を起こし、また劉圩村の付近にもエコ農業モデルファームが建設された。2019年、モデルファームの売上は13億元(約200億円)に達し、うちeコマースの売上は9億元(約140億円)を突破した。その経済効果で300人以上が900万元(約1億4000万円)以上の増収を現実にし、多くの村民が自宅のすぐそばで職を手にした。

 今後、特色ある農業や自然資源と民宿・展示施設・農業体験などを結合させるプロジェクトが計画されており、積極的に多肉植物祭りや演劇会などのイベントが開かれる。「観光」から「リゾート」へ、農村グリーンツーリズムの実践地をつくりあげる。今年は観光収入2000万元(約3億1000万円)を実現する見通しだ。

「家のすぐ近くに大きい公園ができ、みんなご飯の後はここで散歩するのが好きなんです」。住民の王振華さんは満足そうに現在の生活を語った。村の支部書記である丁義録(Ding Yilu)さんが言うには、劉圩村はエコで住みよい村をつくるため、水・道路・産業・公共サービスなどの統一的計画を立て、下水道・汚水処理施設などを建設した。今、村全体が水に囲まれ、橋や東屋が昔ながらのカントリーサイドの雰囲気をつくり出している。(c)People's Daily/AFPBB News