【9月19日 Xinhua News】中国山西省(Shanxi)運城市(Yuncheng)万栄県(Wanrong)に、古代の皇帝が神話上の地母神「后土(こうど)」を祭った「万栄后土廟」がある。汾河(ふんが)と黄河が合流する険しい崖の上に立ち、全国重点文物保護単位(国宝・重要文化財に相当)に指定されている。

 同県文化・観光局によると、創建は前漢の文帝(在位紀元前180~157年)時代で、孫の武帝の時に拡張され、国家の祠廟として定められた。後漢や隋唐、北宋の各時代にも大規模な建設が行われている。明代には黄河の流れの変化を受け2度移転したが、いずれも洪水で押し流された。現存する建物は、清代に新たに場所を選んで建てられた。

 境内には山門や並列戯台(ぎだい、芝居の舞台)、献殿、香亭、正殿、秋風楼などが残されている。山門は通路のほか戯台が設けられ、後方の並列戯台と併せて「品」字型の舞台配置となっている。国内でも珍しい配置だという。舞台が横に二つ並んだ並列戯台は清代の様式で、軒下には青石製の石刻角柱があり、対聯(ついれん、漢詩の対句)が刻まれている。正殿の後方にある秋風楼は、武帝が后土を祭った際に読んだ「秋風辞」(しゅうふうのじ)にその名が由来する。(c)Xinhua News/AFPBB News