【9月14日 AFP】(更新)ロシアで13日に行われた統一地方選挙で、毒殺未遂の被害に遭ったとされドイツの病院に入院中のアレクセイ・ナワリヌイ(Alexei Navalny)氏率いる野党勢力は、シベリア(Siberia)の市議会で複数の議席を確保したと発表した。独立監視機関は、不正投票の「流れ」が報告されていると非難している。

 ロシアの政権与党「統一ロシア(United Russia)」は、経済の低迷に国民の不満がくすぶる中、支持率の低下に直面している。ロシアは議会選を来年に控えており、今回の地方選はその試金石とみなされている。

 ナワリヌイ派は13日夜、ロシア第3の都市ノボシビルスク(Novosibirsk)で同派現地支部を率いるセルゲイ・ボイコ(Sergei Boiko)氏(37)が、また近隣のトムスク(Tomsk)でも同派現地支部長のクセニア・ファデヤワ(Ksenia Fadeyeva)氏(28)ともう1人が、市議会選に当選したと発表した。

 一方で知事選挙が実施された18地域中、12地域で与党候補者が選出され、残り6地域では政府寄りの野党と足並みをそろえる候補者が選出された。

 ナワリヌイ氏は先月、選挙運動で両市を訪問後、搭乗した国内線の機内で体調が急変。ドイツ政府は、神経剤のノビチョクによる被害だと発表している。

 ボイコ氏に投票したという歯科技工士の男性(26)は、ナワリヌイ氏の演説動画をユーチューブ(YouTube)で見たことがきっかけとなったと説明。「挑戦してみようと思った」「ナワリヌイ氏やボイコ氏なら物事が良くなるとの確信はないが、少なくとも結果を見てみようと思う」と述べた。

 やはり反体制派に票を投じたという退役軍人の男性(57)は、「何かを変えるためだ。そうすれば停滞から抜け出せる」と語った。(c)AFP/Romain COLAS