旧ソ連時代の「楽園」 労働者向け集合住宅が荒廃の憂き目に
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■中国の輸入品に負けて工場が閉鎖され、住宅は荒廃
ソ連時代、慢性的な住宅不足のために多くの人々が共同住宅に住み、プロレタルカの住宅需要は大きかった。
住民の女性(69)は、50年前にウラル(Urals)地方から集団農場の労働者としてここにやって来た日のことを振り返った。バスから降りたときは、赤れんがの建物正面の豪華さに驚いたと話す。
窮屈な自宅のソファで、当時は幸せだったと語った。たとえ12平方メートルの1部屋で他の工場労働者3人と同居し、トイレや台所を使用する順番を待たなければならなかったとしてもだ。
「休みの日は、みんなで廊下に長いテーブルを置いた」「夕方になると、若い女性たちはプールや劇場、図書館によく行ったものです」とほほ笑んだ。
1990年代末までに、工場は中国からの輸入品に負けて閉鎖され、プロレタルカは荒廃した。
今日では、趣のある古風な建物の正面が、建築愛好家や映画製作者らを引き付けている。(c)AFP/Marina LAPENKOVA