【9月14日 AFP】20-21フランス・リーグ1は13日、第3節の試合が行われ、オリンピック・マルセイユ(Olympique de Marseille)はフロリアン・トヴァン(Florian Thauvin)が決勝点を挙げ、敵地で王者パリ・サンジェルマン(Paris Saint-GermainPSG)に1-0で勝利。この一戦では、新型コロナウイルスの陽性反応による隔離から復帰したPSGのネイマール(Neymar da Silva Santos Junior)が、人種差別発言をしたとされる相手をたたき退場になるなど、計5枚のレッドカードが飛び交う大荒れの展開となった。

 足首のけがで昨シーズンの大半を棒に振ったトヴァンが31分に至近距離からボレーシュートを決めたマルセイユは、宿敵PSGから2011年11月以来となる白星を挙げ、連続未勝利を20試合で止めた。

 マルセイユのアンドレ・ビラス・ボアス(Andre Villas-Boas)監督は、仏テレビ局TF1のスポーツ番組「Telefoot」に「重要な勝利であり、歴史的なこと。タフであり、もちろん難しいチームを相手にとても良い勝利を収められた」とコメントした。

 前月に行われた欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2019-20)決勝でバイエルン・ミュンヘン(Bayern Munich)に敗れたPSGは、1978-79シーズン以来となる無得点の開幕2連敗。陽性反応者の数に悩まされるPSGに課されたタスクは、今月は全く簡単なものにはならない。

 ミッドウイークにメッス(FC Metz)とのホームゲーム、そして20日にはニース(OGC Nice)とのアウェーゲームを控え、厳しい日程が待ち構えているPSGは、計5人の退場者を出した後半アディショナルタイムの衝突で、マルセイユのDFアルバロ・ゴンサレス(Alvaro Gonzalez)をたたいたネイマールが1試合の出場停止処分に直面している。

 ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)判定の末に退場が言い渡されたネイマールは、チームメートのライヴィン・クルザワ(Layvin Kurzawa)とレアンドロ・パレデス(Leandro Paredes)に続いてピッチを後にする際、「人種差別に注目してくれ。だから僕は彼をたたいたんだ」とすると、さらに試合後にはツイッター(Twitter)上に「唯一の後悔は、あのばかの顔を殴らなかったことだ」と投稿した。

 またPSGのトーマス・トゥヘル(Thomas Tuchel)監督は、ネイマールから「人種差別的な侮蔑があったと言われたが、ピッチ上では私にそういったものは聞こえなかった」と話している。

 ビラス・ボアス監督は「サッカーの世界に人種差別の居場所はないが、事実だったとは思わない。調査しなければならない」と述べた。

 また、マルセイユのダリオ・ベネデット(Dario Benedetto)とジョルダン・アマヴィ(Jordan Amavi)にもレッドカードが出されている。

 一方、PSGのレオナルド(Leonardo Nascimento de Araujo)スポーティング・ディレクター(SD)は、ジェローム・ブリザール(Jerome Brisard)主審について、これほど緊張感のある一戦を裁く経験を欠いていたと示唆した。

 レオナルドSDは「14枚のイエローカードと5枚のレッドカードが出たというのは、試合が制御されていなかったことを意味する」と話した。「審判を批判するわけではないが、『ル・クラスィク(Le Classique)』を裁くには適切な時機ではなかったのかもしれない」 (c)AFP