【9月14日 Xinhua News】中国甘粛省(Gansu)蘭州市(Lanzhou)に本店を構える老舗の蘭州ラーメン店「馬子禄(マーズルー)牛肉面」。その3代目董事長、馬汀(Ma Ting)さんと日本店の店長、清野烈(たける)さんは蘭州ラーメンを通して知り合い、交流を重ねてきた。今では師であり、友でもある仲で、馬さんにとって清野さんは「自慢の弟子」だという。

 馬さんから日本出店の許可を得た清野さんは、かつての留学仲間と共同経営で東京都千代田区神田神保町に馬子禄の日本1号店をオープンした。

 清野さんは北京外国語大学(Beijing Foreign Studies University)に留学していた時に蘭州ラーメンと出合い、その奥深い味わいのとりこになった。帰国後も「蘭州ラーメン」をうたう店を回ったが、求める味には出合えなかった。そこで思いついたのが、自分で店を開くことだった。

 清野さんは「本場の味を再現するなら、食材と伝統の技にもこだわらなければならない」と、日本から「牛肉ラーメンの街」として知られる蘭州市へ渡った。同市の店に弟子入りし、日本に本場の味を伝えようと考えた彼が、蘭州ラーメン屋を巡り、「一番おいしい」とたどりついたのが「馬子禄」だった。

 清野さんから教えを請われた馬さんは、見も知らぬ相手に警戒し、最初はやんわりと断った。

 それでも諦められない清野さんは、弟子入りしたいと馬さんの元を3度訪ねた。その熱意にほだされた馬さんは、ついに技を教えることにした。

 修行を終えた清野さんは2017年、師の元を巣立った。その後、東京に戻り、留学時代の仲間と共に馬子禄を開いた。馬さんは開店当初、東京に職人を送るなどして面倒を見た。

 清野さんによると、馬さんとは日頃から連絡を取り合い、経営理念を共有しているという。店で使うのは日本の小麦粉と蘭州のスパイス。「単なるラーメンではない。中日両国の深い友情がこもっている」と清野さんは語る。(c)Xinhua News/AFPBB News