【9月13日 AFP】13日に行われる全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2020)男子シングルス決勝では、世界3位のドミニク・ティエム(Dominic Thiem、オーストリア)と同7位のアレクサンダー・ズベレフ(Alexander Zverev、ドイツ)が、ともに初の四大大会(グランドスラム)優勝を懸けて激突する。

 無観客のアーサー・アッシュ・スタジアム(Arthur Ashe Stadium)で行われる一戦は、27歳のティエムにとっては今年の全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament 2020)に続き2大会連続4度目、23歳のズベレフにとっては初のグランドスラム決勝となる。

 ティエムはダニール・メドベージェフ(Daniil Medvedev、ロシア)にストレートで勝利した準決勝の後、決勝でズベレフに負けた場合は、グランドスラム初優勝を果たすまで4度決勝で敗れたアンディ・マレー(Andy Murray、英国)に連絡しないといけないとジョークを飛ばしている。

「勝てば1勝目。負けたらアンディ・マレーに電話して、無冠の気分について語らなくちゃいけないね」

 今年の全米オープンはロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)と前年覇者のラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)が欠場し、さらには王者ノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)が4回戦で誤って線審にボールをぶつけて失格となり、多くの選手に可能性が開かれていた。

 13日の決勝では、錦織圭(Kei Nishikori)を破って2014年の全米オープンを制したマリン・チリッチ(Marin Cilic、クロアチア)以来となるグランドスラム初優勝者が生まれることになり、また、ジョコビッチ、ナダル、フェデラー以外の選手がグランドスラムを制すのは、2016年の全米オープンで自身四大大会3勝目を挙げたスタン・ワウリンカ(Stan Wawrinka、スイス)以来となる。

 2018年と2019年の全仏オープン(French Open)で準優勝を経験しているティエムにとっては、手にするのが難しい最初のグランドスラムタイトルをつかむ絶好のチャンスとなっている。