■ボーイフレンドの本

 大坂の行動の前には、米プロバスケットボール(NBA)のミルウォーキー・バックス(Milwaukee Bucks)がブレークさんの事件を受け試合をボイコットし、NBAのプレーオフが中断。その他の複数の競技でもボイコットの流れが続いた。

 迎えた全米オープンでは、3月に自宅アパートで警察に射殺された、救急救命士のブリアンナ・テイラー(Breonna Taylor)さんの名前が入ったマスクを着用して初戦のコートに上がり、その後のラウンドでもエライジャ・マクレーン(Elijah McClain)さん、アマード・アーベリー(Ahmaud Arbery)さん、トレイボン・マーティン(Trayvon Martin)さん、フロイドさん、そしてフィランド・キャスティル(Philando Castile)さんの名前入りマスクをつけた。

 この日の決勝では、2014年にオハイオ州クリーブランド(Cleveland)で白人警官に射殺された黒人の少年タミル・ライス(Tamir Rice)君に敬意を表した。

 大会期間中にはアーベリーさんの父親からビデオメッセージを受け取り、マーティンさんの母親からは、世界中から彼らの話に注目を集めてくれたとして感謝された。

 この日の試合後、大坂は犠牲になった人々の家族に会いたいと述べ、「もちろん。自分は体験を通じてより学んでいる実感がある。ストーリーを共有し、人々の経験に耳を傾けることには、非常に価値がある」と語った。

 また、今大会でスタンドから声援を送っていた恋人のラッパー、コーデー(Cordae)さんについても言及し、人種差別や社会的公正に関する考え方の影響を受けていると明かした。

「ハイチの歴史についてたくさん読んだ。父はいつも話している」「私のボーイフレンドも読書が好きで、本を貸してくれている」「ニュースからの情報ばかりにならないようにして、自分の考えをつくるように心がけている」 (c)AFP/Peter HUTCHISON