【9月13日 AFP】12日に行われた全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2020)女子シングルス決勝で準優勝となったビクトリア・アザレンカ(Victoria Azarenka、ベラルーシ)が、復活を印象づけた大会を終え、今後も四大大会(グランドスラム)のタイトル獲得へ向けて前進していくと意欲を示した。

 メジャー2勝を誇るアザレンカはこの日、7年ぶりとなるグランドスラムの決勝の舞台で大坂なおみ(Naomi Osaka)に3セットで敗れた。

 31歳になったアザレンカは、一時けがによってキャリア中断を余儀なくされると、その後も2016年に生まれた息子の親権をめぐる闘いに妨げられ、グランドスラムの活躍はもう期待できないと見る解説者も多かった。

 しかし、ノーシードとして臨んだ今大会では快進撃を見せ、準決勝では宿敵セレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)をフルセットで撃破。

 この日も序盤は大坂を圧倒し、26分しか要さず6-1で第1セットを獲得。好調なサーブと卓越したリターンのコンビネーションは、全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament)で二つのタイトルを獲得した全盛期をほうふつさせた。

 セレーナに敗れた2013年の全米オープン以来となるグランドスラムの決勝を戦ったアザレンカは、「素晴らしい2週間だった。きょうはできることをすべてやった」と話し、「失望しているとも言えない。負けるのは悔しいが仕方ない。惜しかったが自分の思ったようにはならなかった」と付け加えた。

 また、試合で勝つことがすべてだった若い頃と比べ、最近はよりリラックスした姿勢が力になっていると明かし、この日の試合は過去のグランドスラムの決勝より「コート上で楽しめたと感じる」と語った。

「必ずしも結果だけを見るのではなく過程に注目して、その一瞬を生き、タフな瞬間、難しい挑戦も受け入れるようにしている」

 今大会では精神面、身体面ともに自身を「誇りに思う」と振り返ったアザレンカは、今月から始まる全仏オープンテニス(French Open 2020)から再び3度目のグランドスラム優勝を目指すと明言。「三度目の正直となるかと思ったけど、もう一回挑戦しないといけない。それがこれから私がやること」と笑顔で話した。

 今後はこの数週間でつかんだ勢いを手に、欧州でのクレーコートシーズンに突入する。まずは全仏オープンの前哨戦となるイタリア国際(Internazionali BNL d’Italia 2020)にワイルドカード(主催者推薦)として出場し、初戦でヴィーナス・ウィリアムス(Venus Williams、米国)と激突する。(c)AFP/Peter HUTCHISON