【9月13日 AFP】第77回ベネチア国際映画祭(Venice International Film Festival)で12日、中国出身のクロエ・ジャオ(Chloe Zhao)監督(38)が手掛けた映画『ノマドランド(Nomadland)』が最高賞の金獅子(Golden Lion)賞を獲得した。女性が金獅子賞を受賞するのは10年ぶりとなる。

『ノマドランド』は、アカデミー賞(Academy Awards)で2度の受賞歴を持つ主演のフランシス・マクドーマンド(Frances McDormand)が、家を失った女性を演じた作品。古びた車で生活を送るノマドの一人として、運に見放されながらも米西部を放浪するロードムービーだ。

 女性が最高賞を受賞するのは、2010年にソフィア・コッポラ(Sofia Coppola)監督が映画『SOMEWHERE(サムウェア)』で金獅子賞を受賞して以来となる。

 また黒沢清(Kiyoshi Kurosawa)監督は、戦時中のスパイを描いたスリラー映画『スパイの妻(Spy No Tsuma)』で最優秀監督賞の銀獅子(Silver Lion)賞を受賞した。

 第2次世界大戦(World War II)と満州(Manchuria)侵略が迫り来る中、国家機密を偶然知ってしまい、忠誠や裏切りに葛藤する貿易業の夫と、愛を試される妻が描かれている。(c)AFP/Alexandria SAGE and Fiachra Gibbons