【9月12日 AFP】(更新、写真追加)南米ペルーの議会(一院制、定数130)は11日、政府当局者に対する汚職捜査を妨害しようとしたとされているマルティン・ビスカラ(Martin Vizcarra)大統領が「道徳的に不適任」だとして、弾劾手続きを開始するための動議を採決した。

 採決後、マヌエル・メリノ(Manuel Merino)議長は、「ペルー大統領を空席とする動議は可決された」と発表。動議は賛成65、反対36、棄権24で可決された。

 2018年に大統領に就任したビスカラ氏は、政府が人気歌手を有給の文化顧問として雇用したことの詳細を隠すよう側近に話した際の録音がリークされたことを受け、批判されていた。この件は5月に報道されて発覚。歌手は1万ドル(約106万円)を受け取っていたとされる。議会はこの異例の契約について調査を開始した。

 ビスカラ氏は採決を前に行われたテレビ演説で、いかなる不正行為についても否定し、「私は辞めない。私は逃げない」と主張した。

 18日に議会でビスカラ氏が抗弁し、本会議での討論の後に採決が行われる。同氏を罷免するには87票が必要となる。

 ビスカラ氏は、有罪判決を受けた犯罪者の立候補を禁止する改革を行うなど、反汚職運動を繰り広げて野党議員と対立し、国民からの支持を得ていた。(c)AFP/Luis Jaime CISNEROS