【9月11日 AFP】ツール・ド・フランス(2020 Tour de France)は10日、第12ステージ(ショビニーからサラン、218キロメートル)が行われ、チーム・サンウェブ(Team Sunweb)のマルク・ヒルシ(Marc Hirschi、スイス)が単独で逃げ切り、ステージ制覇を飾った。今大会、2度にわたってあと一歩のところで優勝を逃してきたヒルシにとっては、諦めない姿勢が報われた結果となった。

 厳しい山岳ステージを翌日に控える中、総合順位に変動はなく、チーム・ユンボ・ビスマ(Team Jumbo Visma)のプリモシュ・ログリッチ(Primoz Roglic、スロベニア)は、前年王者でイネオス・グレナディアーズ(Ineos Grenadiers)のエガン・ベルナル(Egan Bernal、コロンビア)と21秒差をキープしている。

 22歳のヒルシは第2ステージ、プロムナード・デ・ザングレ(Promenade des Anglais)のゴール前スプリントでドゥクーニンク・クイックステップ(Deceuninck Quick Step)のジュリアン・アラフィリップ(Julian Alaphilippe、フランス)に競り負け、2位フィニッシュとなった。

 さらに6日の第9ステージでは、ラランス(Laruns)のゴール前でUTE(UAE TEAM EMIRATES)のタデイ・ポガチャル(Tadej Pogacar)、ログリッチのスロベニア勢に追い抜かれ再び涙をのんだが、この日は今大会最長となった218キロのコースでようやく勝利の方程式を見つけ出し、長い区間を逃げ切って単独でのフィニッシュを飾った。

 逃げ職人として知られるヒルシは「あまりよく眠れていないし、腰も痛かったが、とにかく攻めろと自分に言い聞かせた」とコメントした。

 2018年に行われたU-23の世界選手権で優勝を果たしたヒルシは「こんな結果は全く信じられなかった。あと1キロという状況になっても、期待してはいけないと考えた」と続けた。

 終盤にアタックを仕掛けヒルシを脅かすも、すぐに諦め後退したアラフィリップはゴール後、「ヒルシは勝利するにふさわしかったし、彼のことをうれしく思う。私にただ脚力がなかっただけ。彼はあまりに速かった」と語った。(c)AFP/Damian MCCALL