【9月11日 AFP】第2次世界大戦(World War II)中の1940年に魚雷攻撃を受け、ノルウェー沖に沈んだナチス・ドイツ(Nazi)の巡洋艦が、海底ケーブルの点検中に見つかった。発見者の技師らが10日、AFPに明らかにした。

 ノルウェーの送電会社スタットネット(Statnett)の主任技師オーレ・ペター・ホバスタッド(Ole Petter Hobberstad)氏はAFPの取材に対し、「時々遺物を見つけることがあるが、今回ほど胸躍るものを見つけたことはない」と話した。

 見つかったのは、ノルウェー侵攻に参加したドイツ海軍の巡洋艦「カールスルーエ(Karlsruhe)」。全長174メートル。

 1940年4月9日に兵士らを上陸させた後、カールスルーエはノルウェーの砲撃を受け、さらに英潜水艦の魚雷攻撃を受けた。被害が大きかったため、同艦の艦長はノルウェー南端のクリスティアンサン(Kristiansand)港沖で自沈を命じた。

 スタットネットによると、同社は3年前、ノルウェーとデンマークをつなぐ高圧線の近くに未確認の沈没船があることをソナー(音波探知機)で把握していた。しかし当時、技師らにそれ以上調査する時間はなかったという。

 しかし今年6月30日、同海域を嵐が通過した後、無人水中探査機(ROV)を備えたチームが派遣され、沈没船を調査することになった。

 スタットネットによると、探査機は海底ケーブルから15メートルほどの位置にある「魚雷を受けた巨大な沈没船」を映し出した。しかし、調査チームが「戦時中のものだと理解したのは、画面に砲塔とナチスの紋章が映し出された時」だったという。

 その後、ノルウェーの海事博物館がそれまで見つかっていなかったカールスルーエに間違いないと確認した。

 カールスルーエは、クリスティアンサンから13カイリの海底に船底を下にして沈んでいる。専門家らによると、重心が高く、横に傾きやすい軍艦にとって、これは珍しいことだという。

 同艦はドイツ北部のキール(Kiel)で建造され、1927年に就役した。(c)AFP