【9月11日 AFP】印中の係争地争いが激化する中、インド国防相は10日、同国がフランスから購入した戦闘機「ラファール(Rafale)」の正式就役を敵対国に対する「強いメッセージ」として歓迎した。

 インドは、ラファール36機を94億ドル(約9970億円)で購入。その最初の5機が、北部アンバーラ(Ambala)で行われた式典を経て、正式に就役した。

 ラジナート・シン(Raj Nath Singh)国防相は、中国を名指ししなかったものの、「ラファールの就役は、世界、特にインドの主権に挑む者に対する強力なメッセージだ」「わが国はいかなる場所でも平和を乱すことは一切しない。近隣諸国にも同じことを期待している」とツイッター(Twitter)に投稿した。

 インドと中国の国境に位置するヒマラヤ(Himalaya)地域では今週、45年ぶりに発砲があった。同地域では6月、印中両軍の衝突によってインド兵20人が死亡している。

 インドのスブラマニヤム・ジャイシャンカル(Subrahmanyam Jaishankar)外相と中国の王毅(Wang Yi)外相は10日、ロシアの首都モスクワで会談したが、ロシアのセルゲイ・ラブロフ(Sergei Lavrov)外相との共同声明では、国境地帯の緊張に直接言及しなかった。

 声明は、「3国の共通の発展と協力は、世界の成長と平和、安定の促進に資する」としている。

 インドは、対中関係が急激に冷え込む前から戦略的に西側諸国に接近。アジア太平洋地域において米国と日本、オーストラリアとの安全保障協力を深めている。また、米国に攻撃ヘリコプターを、ロシアにミサイル防衛システムを発注するなど、1300億ドル(約13兆8000億円)規模の軍の近代化にも着手している。(c)AFP/Didier Lauras with Jalees Andrabi in New Delhi