【9月11日 AFP】中国の軍用機が今週、2日連続で防空識別圏(ADIZ)に進入し、台湾は10日、中国による「深刻な挑発」行為と強く批判した。

 台湾当局によると、9、10日の中国の大規模軍事演習で、スホイ30(Su30)、J10戦闘機、Y-8対潜哨戒機など複数の中国軍機がADIZに進入した。

 台湾外交部(外務省に相当)は声明で、「中国政府による軍事演習は台湾への深刻な挑発行為であり、地域の平和と安定に重大な脅威をもたらす」と批判。「中国人民解放軍(PLA)はきょう、台湾の近くでの演習実施を選んだ。あすは他国の近くで、同様の威嚇行為を行う可能性がある」と述べた。

 同外交部は中国が域内に「極度の不安定化の要因を導入」しているとも非難。中国の「攻撃性の増大」に十分注意を払うよう国際社会に要請し、「台湾は対立を望まないが、逃げることもない」と言明した。呉釗燮(Joseph Wu)外交部長(外相に相当)も今回の事態についてツイッター(Twitter)で、「わが国と地域の平和への脅威」だと明言した。

 民主化され独自の政治体制を持つ台湾について、中国政府は自国領とみなしており、これまで統一を目指すと宣言し、必要があれば武力行使も辞さないとしている。(c)AFP