【9月10日 AFP】国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ(Thomas Bach)会長は9日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)によって来年に延期された東京五輪の開催方式について、期限を設定するのは時期尚早であり、スピーディーな検査方法やワクチンが開発されれば、大会の開催にとって大きな助けになるだろうと述べた。

 バッハ会長はIOC理事会後、「来年がどのような状況になっているのかよく分からない。期限を設けるのは早すぎる」とコメントした。

「世界があすどうなっているのかも分からないのに、どうすれば316日後の世界をわれわれが知り得るというのか?」

 延期という歴史的な決断が下された東京五輪は、来年7月23日に開幕する予定となっている。

 バッハ会長は「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策のさまざまなシナリオに関する重要かつ集中的な協議が、これからの数週間で行われる」と続けた。

 バッハ会長によれば、IOCの作業部会は異なるさまざまなシナリオを用意しているという。

「簡単ではないが、もちろんソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)は検討している」

「われわれは、スピーディーな検査方法や予防接種、ワクチンの開発状況についても注視している。これらが良い影響をもたらし、大会の準備を容易にする可能性があるからだ」

「最終的なシナリオや取り組み方について具体的な返答をするのはあまりにも早すぎる」

 また、東京五輪の調整委員長を務めるIOCのジョン・コーツ(John Coates)氏は先日、大会は「新型ウイルスに関係なく」行われるとAFPに対して発言していたが、バッハ会長はこの内容を軽視し、「コーツ氏はIOC全体と同様、すべての参加者が安全に五輪に参加するという原則に全力で取り組んでいる」と述べた。(c)AFP