【9月10日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が、新型コロナウイルスの流行発生当初、同ウイルスの危険性を認識しつつもあえて軽視したと認めていたことが、9日に公開された音声録音から明らかになった。

 音声は、米ベテラン記者のボブ・ウッドワード(Bob Woodward)氏が3月19日に行ったインタビューからのもので、今月15日発売予定の同氏の新著「Rage(怒り)」で明らかにされている。

 米CNNテレビが同著発売に先立ち入手した音声録音によると、トランプ氏は「私は常に(新型ウイルスを)軽視したかった」、「今でも軽視したいと思っている。パニックを生み出したくないからだ」と述べていた。

 トランプ氏はさらに、ウッドワード氏がこれより前に行ったインタビューで、新型ウイルスが「致死的」であり、季節性インフルエンザよりもはるかに危険であることは認識していると言明。だがトランプ氏は一方で米国民に対し、新型ウイルスに大きな危険はなく、自然と「消える」だろうとの見方を繰り返し示していた。

 新型ウイルスが米国で猛威を振るい始めていた当時、トランプ氏が事態の深刻さを軽んずることを決めたと認めたことを受け、反トランプ派勢力は直ちに批判を展開。11月の大統領選でトランプ氏に挑む民主党のジョー・バイデン(Joe Biden)候補はミシガン州で開いた選挙集会で「彼は米国民にうそをついた。承知の上で自発的に、この国が直面している脅威について数か月にわたりうそをついた」と非難した。(c)AFP