【9月10日 AFP】アレクサンドル・ルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領の再選をめぐり抗議行動が続いているベラルーシで、捜査当局は9日、反政権派幹部マリア・コレスニコワ(Maria Kolesnikova)氏とマクシム・ズナック(Maxim Znak)氏が国家安全保障の捜査で拘束されたと明らかにした。政権は抗議に対する弾圧を強化している。

 重大犯罪の捜査を担当するベラルーシ捜査委員会(Belarusian Investigative Committee)は声明で、「国家安全保障を損なうことを企図する行動の呼び掛け」についての捜査が続く中、両氏が拘束されていると述べた。強権統治を続けてきたルカシェンコ大統領を批判する反政権派幹部では、すでにその複数が拘束されている。

 8日にウクライナ国境で拘束されたコレスニコワ氏は、ベラルーシ国内にまだいる反政権派の中で最もよく知られる人物。同氏の弁護士は、コレスニコワ氏はミンスクの刑事施設におり、最大5年の禁錮刑を言い渡される可能性があると述べた。

 一方、ズナック氏は以前、大統領選への出馬を目指していたが現在拘束されているビクトル・ババリコ(Viktor Babaryko)氏の弁護士を務めていた人物で9日、覆面の男らに拘束された。ババリコ氏の広報担当者によると、ズナック氏は参加予定だったビデオ通話の時間になっても現れず、代わりに「覆面」と書かれたメッセージを送ってきたと述べた。

 さらにノーベル文学賞(Nobel Prize in Literature)作家スベトラーナ・アレクシエービッチ(Svetlana Alexievich)氏(72)は、自身が脅されたと明らかにした。アレクシエービッチ氏は記者団に対し、普通の服を着た複数の見知らぬ男が自宅アパート前に集まり、自宅の呼び鈴を何度も鳴らして威嚇しようとしたと述べた。(c)AFP/Tatiana Kalinovskaya