【9月9日 AFP】ツール・ド・フランス(2020 Tour de France)は8日、第10ステージ(イルドレロンルシャトードレロンからサンマルタンドレ、168.5キロメートル)が行われ、ドゥクーニンク・クイックステップ(Deceuninck Quick Step)のサム・ベネット(Sam Bennett、アイルランド)が涙のツール初ステージ優勝を飾った。

 大西洋沿岸を走りながら、オレロン(Oleron)島からレ(Re)島へ至る第10ステージで、最後のスプリント勝負を制してステージ優勝を飾ったツール初出場のベネットは、スプリンター王の証であり、母国アイルランドのラグビーやサッカーの代表ジャージーにも似たマイヨ・ヴェール(グリーンジャージー)を奪い返した。

 アイルランドの国内王者の印を身につけたベネットは、ロット・ソウダル(Lotto Soudal)のカレブ・ユアン(Caleb Ewan、オーストラリア)との競り合いを制した。レ島のフィニッシュラインを過ぎた後には、ベネットとユアンが拳を合わせて健闘をたたえ合う珍しい場面も見られた。

 その後、チームメートに囲まれてリプレー映像を確認したベネットは、拳を突き上げて勝利を喜んだ。あとわずかで優勝を逃すこと4回、78か所の環状交差点(ラウンドアバウト)があるアクシデント続出のステージを経てようやく勝利をつかんだベネットは、「ほとんどほっとしたという感覚だ」と話した。

 ジロ・デ・イタリア(Giro d'Italia)でステージ3勝、ブエルタ・ア・エスパーニャ(Vuelta a Espana)で2勝を挙げているベネットは、これで三大ツール(グランツール)の全てで区間優勝を飾ったことになる。

 前日よりも多くの見物客が観戦に訪れる中、ボーラ・ハンスグローエ(Bora Hansgrohe)の重鎮ペーター・サガン(Peter Sagan、スロバキア)は3位となり、ベネットにグリーンジャージーを明け渡した。

 総合争いでは、チーム・ユンボ・ビスマ(Team Jumbo Visma)のプリモシュ・ログリッチ(Primoz Roglic、スロベニア)が首位を維持。イネオス・グレナディアーズ(Ineos Grenadiers)の前年王者エガン・ベルナル(Egan Bernal、コロンビア)が21秒差の2位につけている。(c)AFP/Damian MCCALL