【9月9日 AFP】パキスタンの最大都市カラチ(Karachi)で確認された新型コロナウイルス感染者のうち、最大95%が無症状だったことが、8日に報告された調査結果で明らかになった。同国はなぜか大流行を回避できており、この結果でその理由が解明される可能性が出てきた。

 カラチにあるアガ・カーン大学(Aga Khan University)の調査によると、感染者の10人中9人以上が無症状だったという。

 公衆衛生の専門家チームが、人口約2000万人のカラチの複数地域で2000人を対象に新型コロナウイルスの検査を実施。

 調査チームを率いるイムラン・ニサル(Imran Nisar)氏はAFPに対し、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の検査で陽性だった人の95%が、せき、発熱、喉の痛みなどの症状を感じないと報告した」と述べた。

 調査チームによると、カラチでなぜこれほど多くの感染者が無症状であるのかを理解するにはさらなる調査が必要だが、若年層が同国人口の多くを占めることが要因として考えられるという。

 同国の平均年齢はわずか22歳で、COVID-19は特に基礎疾患のある高齢者が感染すると重症化しやすいことが分かっている。

 今回の調査は、「パキスタンにおける無症状患者の割合は先進国と比べてはるかに大きい。無症状患者は病院での治療を必要とせず、このことが、パキスタンの病院がスペインや英国の病院のように圧迫されていない理由を説明できるかもしれない」と指摘している。

 これまでのパキスタンの感染者数は約30万人で、毎日数百人の新規感染者が報告されているが、1日あたりの死者数は1桁台にとどまっている。(c)AFP