【10月20日 AFP】(更新、図解追加)投票日が11月3日に迫った米大統領選挙で、民主党のジョー・バイデン(Joe Biden)候補が共和党の現職ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏から政権を奪うためには、激戦区の数州を制す必要がある。

 今回の選挙で主な激戦州となっているのは、フロリダ、ペンシルベニア、ミシガン、ノースカロライナ、ウィスコンシン、そしてアリゾナの6州。いずれも2016年大統領選ではトランプ氏が勝利したが、うち4州はその前の2012年大統領選で民主党のバラク・オバマ(Barack Obama)前大統領を支持していた。

 政治情報サイトのリアル・クリア・ポリティクス(RealClearPoliticsRCP)がまとめた10月18日時点の各世論調査結果の平均では、これら6州でバイデン氏が4.3ポイントリードしている。残る44州の状況が4年前と変わらなければ、バイデン氏はフロリダとペンシルベニアの大票田2州さえ制すれば大統領選に勝利できる。

 各激戦州の状況を以下にまとめた。

■ペンシルベニア

 バイデン氏の出身地であるペンシルベニア州は、過去10年間に工業が著しく衰退した中西部・北東部の「ラストベルト(Rust Belt、さびた地帯)」で最大の票田だ。

 都市部ではバイデン氏への支持が厚い一方、保守的な西部・中央部ではトランプ氏が支持されている。鍵を握るのは、郊外部と北東部となる。

 RCPの平均データでは、バイデン氏が4.4ポイントリードしている。

■ミシガン

 ミシガン州は2016年の選挙ではトランプ氏が辛勝し、今年は激戦が繰り広げられている。

 トランプ氏は同州を遊説し「米国の再起」を誇示したが、有権者の間では新型コロナウイルス流行の経済への影響とトランプ氏の対応に対する懸念が広がっている。

 同州のグレッチェン・ウィットマー(Gretchen Whitmer)知事(民主党)はトランプ氏と対立。同知事が実施したロックダウン(都市封鎖)は保守派の怒りを買い、夏には多数の人が銃を持って州議会前に集まり抗議した。

 RCPの平均データでは、バイデン氏が6.8ポイントリードしている。

■ウィスコンシン

 2016年の選挙では民主党のヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)候補がウィスコンシン州を訪問せず、同州を失う結果となった。民主党は今年、同州を重視し、8月に開催された全国大会の開催地として選んだ。

 トランプ、バイデン両氏は9月上旬、抗議デモが巻き起こった同州ケノーシャ(Kenosha)を訪問。またマイク・ペンス(Mike Pence)副大統領と民主党の副大統領候補カマラ・ハリス(Kamala Harris)上院議員も、それぞれ同州で選挙運動を行った。

 RCPの平均データでは、バイデン氏が6.1ポイントリードしている。