【9月9日 Xinhua News】山西省(Shanxi)静楽県(Jingle)の五家荘村に、夢の実現に向かって奮闘する女性がいる。1990年代生まれの姚艶梅(Yao Yanmei)さんは、2014年に遼寧省(Liaoning)の瀋陽農業大学(Shenyang Agricultural University)を卒業すると、都市で数年間農業関連の仕事に就いたが、18年末、故郷の五家荘村に戻って起業した。

 黄土高原に位置する同村は気候が乾燥しており、これまでトウモロコシやハダカエンバク、コーリャンなどを栽培してきた。故郷に戻った姚さんは、村の豊富な水資源と、昼夜の温度差や日照時間の長さなどの気象条件に着目。翌年に中国東北部のブランド米「稲花香」を導入し、水稲栽培への転換を図った。

 村の観光資源の開発にも努めた。地元の国家級無形文化遺産の切り絵細工「静楽剪紙(せんし)」を活用し、「福」の字の田んぼアートやトウモロコシ畑の迷路などを考案。ユニークなデザインが評判となり、多くの観光客やカメラマンが訪れるようになった。

 水稲栽培の導入は村の生態系も改善した。田畑や野原ではカモやカエル、トンボの姿が見られるようになった。姚さんは「今後は生態系に配慮したエコ養殖や循環農業に取り組んでいきたい。稲わらを焼かずに肥料とするほか、キノコ栽培や水田で稲とカニを同時に育てる「水田養殖」を導入し、独創性のある農業エコパークをつくりたい」と語った。(c)Xinhua News/AFPBB News