【9月9日 AFP】開催中の自転車ロードレース、ツール・ド・フランス(2020 Tour de France)で、大会ディレクターのクリスティアン・プリュドム(Christian Prudhomme)氏が新型コロナウイルスの検査で陽性となり、1週間の隔離期間に入るため大会を離れることになった。選手は全員が陰性だった。大会主催者が8日の第10ステージ開始前に発表した。

 プリュドム氏は無症状で、大会前に実施した3回の検査では陰性だったが、選手とチームスタッフ、関係者を対象とした大会中2回行われる一斉検査の1回目で陽性反応が出たという。

 開催責任者として、大会関連の対外行事をこなす機会も多く、前週5日には第8ステージを観戦に訪れたジャン・カステックス(Jean Castex)仏首相と同じ車に乗っていた。

 プリュドム氏陽性の報を受け、首相も念のため検査を受けることが発表されたが、結果は陰性だった。首相側は、二人ともマスクを着け、「ソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)を尊重していた」と話している。

 自転車ロードレース界最大の祭典の責任者を2007年から務めるプリュドム氏は、AFPに対して「これから1週間、ツールを離れる。こういう状況で、フランスの全社会人がやるべきことをやる」「ツールはテレビで見るよ。15年できなかったことだ」と話している。

 今季のツールは、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、8月29日に開幕が延期されていた。(c)AFP