【9月9日 AFP】スリランカ沖で火災を起こした大型タンカーから、ディーゼル燃料が流出し始めた。同国の海軍当局が8日、明らかにした。大規模な環境災害につながる懸念が高まっている。

 パナマ船籍の大型タンカー「ニュー・ダイヤモンド(New Diamond)」は27万トンの原油と1700トンのディーゼル燃料を積み、クウェートからインドの港に向かう途中、3日に出火した。

 スリランカ海軍は、同国の東海岸から約55キロの海上に浮かぶタンカーの近くでディーゼル燃料の流出が確認されたと発表。流出の規模は明らかにしていない。現場にはインド沿岸警備隊の航空機が派遣され、環境被害を最小限に抑えるための分散剤を散布する予定だという。

 海軍によると、火災はエンジン室と船体上部で続いているが、積み荷の原油には達していない。海軍報道官は「タンカーは左に傾いている。消火のために使われている海水が上部から排出される中、タンクからディーゼル燃料が流出した」と述べた。

 7月にはモーリシャス沖で日本の貨物船「わかしお(MV Wakashio)」が座礁し、1000トン超の燃料油が流出する事故が起きたが、ニュー・ダイヤモンドはわかしおよりもはるかに大型の船。(c)AFP