【9月8日 AFP】(更新)中国で、国営テレビのキャスターを務めるオーストラリア人ジャーナリストが拘束されている問題で、中国側は8日、「国家安全保障上の理由」だと説明した。

 先月14日から拘束されているのは、中国国営の英語放送CGTNでキャスターを務めるチェン・レイ(Cheng Lei)氏。

 外務省の趙立堅(Zhao Lijian)報道官は8日、チェン氏の拘束に初めて言及し、「中国の国家安全保障を危険にさらす犯罪行為」の疑いにより、当局が同氏に対する「強制措置」を取ったと説明した。

 中国当局は国民に向けて、オーストラリア渡航時の警戒を呼び掛けており、豪側も中国に対し同様の措置を取っている。チェン氏の拘束は、悪化する両国関係への新たな打撃となった。

 趙報道官は「本件については、法にのっとった捜査が進行中だ」とする一方、チェン氏の「法的権利と法律上の利益はすべて、完全な法的保護を受けている」と述べた。ただ、チェン氏にかけられている嫌疑について、これ以上の詳細は明かさなかった。

 CGTNでは金融番組「グローバル・ビジネス(Global Business)」と「ビズトーク(BizTalk)」を担当し、国際企業の最高経営責任者(CEO)らにインタビューを行っていたチェン氏。拘束以後、先月27日にオーストラリアの外交関係者らとは話ができたとされているものの、公の場からは姿を消している。

 別の在中豪ジャーナリスト2人も、拘束の恐れがあるとして、中国から緊急帰国している。(c)AFP