【9月9日 People’s Daily】中国・チベット自治区(Tibet Autonomous Region)のラサ市(Lhasa)と山一つはさんで隣り合うロカ市(山南市)。その市内にある森布日村はチベットの中でも極めて標高の高い地域からの住民の移住先になっている。真新しいチベット式住居が整然と並んでおり、家々の屋根には中国の国旗、五星紅旗が翻っている。

 ここに住む44歳のダワさんは客間でソファに座り、内心の喜びを隠し切れない。「私たち一家は昨年末、ここに移住してきた。私はいま、3人の子どもと一緒に暮らしている。この住居は150平方メートルで、水道も電気も使える」とダワさん。

 ダワさんはもともと、ナクチュ市(Naqu)の色務郷(Sewu)に住んでいた。色務郷は標高が平均5100メートル前後。高地で寒く、酸素が少ない。辺鄙(へんぴ)なところにあり、交通も不便。牧畜民はとても貧しかった。そのうえ、牧畜民はばらばらに住んでおり、医者にかかるのも、学校に通うのも、大変だった。

「家は狭かったし、放牧以外に仕事もなかった」と語るダワさん。「井戸はいくつかあったが、冬になると、ほとんどが凍り付いてしまう。私たちは川の氷を割って持って帰ってくるほかなかった」という。

 その後、チベットでは極めて標高の高い地域に住む貧しい牧畜民を移住させることにした。狙いは、牧畜民たちが公共サービスを受け、もっと豊かになるようにすることだった。チベット自治区当局は数回に分けて、こうした人々を移住させた。

 森布日村の移住地域はラサ空港から10キロ余り。ラサ市からは60キロ余り。道路や上下水道、送電線などインフラも整備され、教育、医療、文化にかかわる公共サービス施設も設けられた。2019年12月末までにロカ市の双湖県(Shuanghu)や安多県(Anduo)、尼瑪県(Nima)から957戸4058人が移住した。ダワさん一家もこの中に含まれている。

「ここには病院もあり、自由市場もある。ラサにも近いし、とても便利。頭痛、発熱があれば、病院に行けばいい。遠くまで行く必要がない」とダワさん。一番うれしかったのは学校が近くにあること。子どもたちの通学も便利になった。

 ダワさんは現在、小さな商店を経営している。「移住して新天地に来た。一家の年収は15万元(約230万円)前後。政策はとてもいい。私は自分の力で、生活を日ましによくしていく」とダワさんは意気込んだ。(c)People's Daily/AFPBB News