【9月8日 People’s Daily】中国の首都北京市中心部、朝陽区(Chaoyang)望京街道の東南には、380メートルほどの横町がある。

 この望京横町はもともと、道路が破損し、汚水が流れ、毎日非常に多くの車両が立ち往生する場所であった。車両のトラブルが頻発し、通行人も困っていた。望京街道当局はずっとこの横町の雑然として汚い様相を変えたいと思っていた。現在、横町はきれいな売店や音楽噴水の景観ある、国際的な風情の漂う歩行者天国に改造された。8月8日に通りが開通して1週間以内に、望京横町には15万人が訪れた。

 この変化はどのようにして起きたのか?

 朝陽区望京街道事務局の楊暁昇(Yang Xiaosheng)主任が言うには、歩行街に変わることは通りの環境が改まるだけでなく、横町がつなぐ両側の通りにも商業的な人気をもたらすという。

「われわれは横町の環境が変わることを切望していました」。横町改造プロジェクト責任者でもある、万科集団(Vanke)共同経営者の劉肖(Liu Xiao)氏が話す。横町の環境は両側の商業施設にとって玄関口であり、玄関がだめだときれいなオフィスビルを建てても優秀な企業が入居したがらないのだ。

 改造は避けられない趨勢(すうせい)であった。2019年10月、朝陽区政府の主導で、万科集団は社会資本に参与する市街区改造プロジェクトを確定した。

 横町がある望京地区は60あまりの国から来た住民が仕事や生活を営んでおり、1113の海外企業がオフィスを構え、横町にもレベルの高い開放的な窓口が必要なのだ。

 石畳の路面、国内外のデザイナーの作品が街を彩り、両側にはしゃれたマルシェやギャラリーが立ち並ぶ。横町は多国籍な住民の消費や、国内外企業のビジネスなど、さまざまな機能的要求を満たす街となった。

 街並みだけでなく、商店街も変わる必要がある。オフィスビルにはデータメディア産業をけん引する企業が入居し、伝統的な商店街は飲食店・映画館・バー・デザイナーズマルシェ・スーパーマーケットの業態が一体となった複合食料品店「盒馬鮮生」に換わり、ブランド企業が一堂に会する新空間となった。

 また、表面が一新された横町はその内側にも最新のスマート技術を備えている。

 歩行者天国になった後も、付近では駐車スペースが不足していた。万科集団はスマート停車システムを導入し、さまざまなデータを付近の駐車場と整合させ、需要ピークや駐車スペースの共有、タイムパーキングの詳細な管理を実現させ、停車管理や通行の効率を大幅に上昇させた。

 スマート技術はごみ分類の可視化と追跡を実現した。望京横町に並ぶ商業施設のうち80%が飲食業で、ごみの量が比較的多い。それぞれのごみ箱に電波を発信する電子タグがつけられており、ごみに関するデータが可視化され、データに異常が現れた際には来源を突き止め、即座にコントロールができる。

 8月8日、改造後の望京横町が正式にお披露目され、朝陽区の消費促進キャンペーンも開幕した。

 消費と投資をけん引し、消費と産業双方のアップグレードを促進し、望京横町の改造効果はゆっくりと現れている。(c)People's Daily/AFPBB News