【9月7日 AFP】中国の首都北京で開催中の見本市で、国産の新型コロナウイルスワクチンが初めて公開された。中国は今、同ウイルスの流行に絡み、成果を強調する姿勢を示している。

 今回公開されたワクチン候補2種は、いずれも中国企業のシノバック・バイオテック(Sinovac Biotech)と中国医薬集団総公司(シノファーム、Sinopharm)が開発したもの。見本市のワクチン展示ブース周辺には7日、多くの人が集まっていた。

 どちらのワクチンもまだ市場には出ていないが、両社共に、重要な第3相臨床試験の終了後、年末にも承認されることを見込んでいる。

 シノバックの代表はAFPに対し、同社は年間3億回分を製造できる「ワクチン工場の建設を完了」したと述べた。

 新型コロナウイルス感染拡大の初期対応をめぐり諸外国から批判を受ける中国は、別のストーリー展開を目指そうとしてきている。

 国営メディアや当局は現在、ウイルスとの闘いにおける成功談として、ウイルスが最初に拡大した中部・武漢(Wuhan)市の復活を強調。

 また、世界経済に打撃を与えてきたこの前例のない公衆衛生への脅威に直面した中国のリーダーシップと回復力を示すため、国産ワクチン開発における進歩を前面にアピールしている。(c)AFP/Beiyi SEOW