【9月7日 AFP】トルコは6日、東地中海のキプロス(Cyprus)島北部にあり世界でトルコのみが独立を承認している北キプロスで、毎年恒例の軍事演習を開始した。東地中海では、資源探査をめぐってトルコとギリシャの間で緊張が高まっている。

 キプロス島はトルコ系住民の多い北キプロスと、ギリシャ系住民が多い南部の欧州連合(EU)加盟国キプロスに分断されている。

 共に北大西洋条約機構(NATO)に加盟するトルコとギリシャの関係は、ギリシャが領有権を主張する東地中海の海域でトルコが天然ガスや石油の探査を強行したことで、著しく悪化した。

 トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は5日、「政治と外交の言葉を理解するか、戦場で苦い経験をして理解するか、二つに一つだ」とギリシャに警告し、緊張感はいっそう高まった。

 また、トルコ大統領府によるとエルドアン氏は6日、欧州理事会(European Council)のシャルル・ミシェル(Charles Michel)議長(EU大統領)と電話会談し、領有権争いが続く東地中海での資源探査をめぐる対立で「公平な」対応をEUに求めた。

 EU高官によれば、これに対しミシェル氏は、対立の段階的緩和の重要性を強調するとともに、ギリシャとの緊張をあおる活動の自制を求めたという。(c)AFP