【9月7日 AFP】(更新、写真追加)大型で強い勢力の台風10号(アジア名:ハイシェン、Haishen)は7日午前、韓国南部に上陸した。釜山(Busan)周辺で信号機や街路樹がなぎ倒され、道路が冠水する被害が出たほか、全国の約2万戸が停電した。また、朝鮮半島の南端に位置する巨済(Geoje)市では土砂崩れが起きた。九州では1人が死亡、4人の安否が分からなくなっている。

 台風10号は7日昼すぎには朝鮮半島東側の日本海へ抜け、韓国気象庁(KMA)によると同日夜、北朝鮮・咸鏡北道(North Hamgyong Province)の清津(Chongjin)に再上陸する見通しだ。

 台風10号は非常に強い勢力で日本列島に迫り、6日から7日にかけて九州地方に最接近。記録的な暴風や大雨を各地にもたらし、一時は700万人以上を対象に避難指示や避難勧告が出された。

 宮崎県では土砂崩れが発生し、4人の安否が不明となった。現在、懸命の救助活動が行われている。また、九州電力(Kyushu Electric Power)によれば、7日午後の時点で30万戸以上が停電しており、冷房が使用できない地域では熱中症の危険が高まっている。

 菅義偉(Yoshihide Suga)官房長官は記者会見で、台風10号による死者が1人、災害との関連を調査中の死者が2人、心肺停止者が1人確認されたと報告した。

 NHKによると転倒した高齢者を中心に、十数人が軽傷を負った。長崎県五島市の消防当局はAFPに対し、暴風の影響で7日未明に避難所の窓ガラスが割れ、4人が負傷したと述べた。

 各地の避難所では新型コロナウイルス対策で受け入れ人数を制限。多くの住民がホテルを避難先として選び、予約で満室になるホテルが続出した。73室全てが埋まった鹿児島県志布志市のホテル・ポラリス(Hotel Polaris)は、台風で満室になるのは初めてだとAFPの取材に明かした。(c)Ed JONES with Charly TRIBALLEAU in Kagoshima, JAPAN/AFP