【9月6日 AFP】中国の人気ピアニスト、ラン・ラン(郎朗、Lang Lang)氏は、危機に見舞われた時は音楽が一番の薬になると考えている。特にヨハン・セバスチャン・バッハ(Johann Sebastian Bach)は250年以上も前に、現在のようなパンデミック(世界的な大流行)の時期にぴったりの曲を作っていたという。

 ラン・ラン氏は、自身が録音した「ゴルトベルク変奏曲(Goldberg Variations)」のアルバム発売日(4日)を前にAFPの取材に応じ、「音楽は今のような時期には良い薬になる」「バッハは、他の偉大な作曲家と比べても、優れた癒やしの力を持っている」と語った。

 多様な形式があることから、バッハの曲の中で最も難しい作品に数えられるゴルトベルク変奏曲に取り組むため、ラン・ラン氏は自身の過去を深く掘り下げた。

 ラン・ラン氏は10歳の時にゴルトベルク変奏曲の30の変奏をすべて演奏し、7年後には完全に暗譜していたという。

「始めたのが早かったので、暗譜するのはそれほど難しくなかった」とラン・ラン氏。しかし「準備が整うまで27年かかった。それが事実だ」「作品をよりよく理解できるのを待っていた」。

 新型コロナウイルスのパンデミック前には年間で最低90回はコンサートに出演していたラン・ラン氏は、ライブエンターテインメント界が混乱に陥ったいま、観客の前で演奏するのが恋しいと言う。

「一番恋しいのはステージだ」と言うラン・ラン氏は、医学の進歩で混乱が終わってほしいと述べた。「ワクチンを待っている。(それを)打ったら旅に出る」

 だが、観客の前で全く演奏をしていないわけではない。4月には医療従事者らをたたえるためのバーチャルコンサートに参加し、歌手のセリーヌ・ディオン(Celine Dion)さん、レディー・ガガ(Lady Gaga)さん、イタリア人テノール歌手のアンドレア・ボチェッリ(Andrea Bocelli)さん、米シンガー・ソングライターのジョン・レジェンド(John Legend)さんらと共演した。

 映像は4日、アルバム発売の記念イベントで演奏するラン・ラン氏。後半は3日、AFPの取材に応じた際に演奏した同氏。(c)AFP/Patrick BAERT