【9月7日 Xinhua News】中国で4月以降、世界高級ブランドの既存店売上高が持ち直している。仏高級ブランドのエルメスが広東省(Guangdong)広州市(Guangzhou)の複合商業施設「太古匯」内に構える店舗は、1日で1900万元(1元=約15円)以上もの売り上げをたたき出した。仏高級ブランドグループLVMHモエ・ヘネシー・ルイヴィトン(以下、LVMH)の恒隆広場店(上海市)も8月の売上高が1億5千万元に迫り、国内の店舗当たり売上高の最高記録を更新した。

 新型コロナウイルスが影を落とす中、多くの高級ブランドにとって中国市場が販売増加を支える「安定装置」になっている。

 高級ブランドで世界最大手のLVMHが発表した2020年1~6月期決算は、欧米市場の低迷を受け、売上高が前年同期比27%減の184億ユーロ(1ユーロ=約126円)に落ち込んだ。一方、アジア市場での売上高は中国が力強く回復する中で大きく好転、第2四半期(4~6月)の下げ幅は前四半期の32%から13%にまで改善した。

 同じく世界大手の仏ケリングの同期決算は、新型コロナの感染拡大で日本、北米、欧州市場での販売がいずれも打撃を受け、それぞれ40%、34%、29%の減収となった。第2四半期に売上高が増加したのは中国市場だけで、伸び率は6・4%となり、アジア太平洋地域市場の下げ幅を25%にまで縮小させた。

 米宝飾品ティファニーの最新の四半期決算によると、同社の中国での売上高は1月に前年同月比85%減と大幅に落ち込んだものの、3月を境に回復し、4月は約30%増を実現、5月は90%増となった。

 米コンサルティング大手ベイン・アンド・カンパニーとイタリアの高級ブランド業界団体アルタガンマは世界の個人向け高級品市場について、中国消費者の占める割合が19年は35%だったが、25年には50%に迫ると予測。また、中国の消費者による購買量が全体の26~28%を占めるとの見通しを示している。(c)Xinhua News/AFPBB News