【9月6日 AFP】先月4日に大爆発が起きて少なくとも191人が死亡したレバノンの首都ベイルートで、倒壊した建物のがれきに生存者がいる可能性が今月2日に浮上し懸命の捜索活動が続いていたが、救助隊員らは5日、その可能性はなくなったと述べた。

動画:がれきの下に生存者の鼓動か、ベイルート大爆発から1か月

 2日夜、チリ救助隊の探知犬が港に近く被害の大きかったジュマイゼ(Gemmayzeh)地区の崩壊した建物のがれきの下ににおいを感知。高性能センサーでも鼓動のようなものを検知した。

 これを受けて3日間にわたりがれきの撤去などの捜索活動が行われたが、チリの救助専門家フランシスコ・レルマンダ(Francesco Lermanda)氏は5日夜、その場所に生存者がいる可能性はなくなったと述べた。しかしその場所の周辺一帯に犠牲者が取り残されている可能性を完全につぶすため、捜索活動は続けるという。

 191人という死者はレバノンで平時に起きた災害としては最多。爆発発生から1か月が経過したが、今も7人が行方不明になっている。

 レバノンでは、高度な捜索救難活動のための装備や専門技術が不足しているため、チリやフランス、米国の専門家から支援を受けている。特にチリの専門家は、多くのレバノン人からソーシャルメディアで英雄と称賛されている。(c)AFP