【9月6日 Xinhua News】中国の民間衛星メーカー、九天微星のスマート衛星工場が1日、河北省(Hebei)唐山市(Tangshan)で正式に着工した。衛星インターネットが中国の新型インフラ整備(新基建)に組み込まれた後、この分野で実施された初の大型プロジェクトとなる。

 100キロ級衛星の開発と運営能力を備えた中国初の民間企業、九天微星の工場が来年初めに稼働する予定で、100キログラム級衛星の年間100基以上の生産能力を実現する見通しだという。

 九天微星の共同創設者兼総裁の彭媛媛(Peng Yuanyuan)氏は「衛星工場は衛星の最終組立基地となるだけでなく、衛星技術と応用開発の実験室でもある。当社は既有の衛星・通信技術を基盤に、次世代通信システムおよびプラットフォームの設計・開発に注力するとともに、衛星インターネット端末製品の開発や応用モデルの業界への普及を後押ししていきたい」と述べた。

 同社はまた、自動搬送ロボット(AGV)などスマート設備の導入によって、短期間・低コストの状況下で、50~500キロ級衛星の柔軟な量産を実現するとし、「量産化、自動化、スマート化、柔軟化」された衛星製造・研究開発基地を築くことを目指していると表明した。

 今年4月、中国国家発展改革委員会は衛星インターネットを新型インフラ整備に組み入れた。衛星の量産は衛星インターネットの構築でカギとなる役割を果たせることから、衛星工場の設立は国内の衛星生産能力不足を緩和し、業界の需要を満たすための必然的な選択となっている。

 唐山衛星工場のほか、九天微星はさらに四川省宜賓市に衛星ペイロード工場設立の準備作業を進めている。(c)Xinhua News/AFPBB News