【9月5日 AFP】北朝鮮は地方当局職員に対し、台風9号(アジア名:メイサーク、Maysak)から住民を守る対策を怠り、「深刻な事態」を引き起こして数十人の犠牲者を出したとして厳しく処罰する方針を発表した。朝鮮労働党の機関紙「労働新聞(Rodong Sinmun)」が報じた。

 北朝鮮各地は今週、台風9号による豪雨に見舞われた。映像によると、同国東岸の江原道(Kangwon Province)・元山(Wonsan)では道路が冠水した。

 5日付の労働新聞は、政府幹部らは江原道・元山当局の「無責任な」幹部に対し、「数十人が犠牲となる深刻な事態」を引き起こしたとして処罰することを決定したと報道。金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-un)委員長率いる朝鮮労働党が指示したにもかかわらず、地方当局の職員らは「危険な建物を徹底的に特定し、すべての住民を避難させるための計画を速やかに立てる」ことを怠り、「死傷者を出した責任者には、党や行政、法律による厳しい罰が与えられることが決定した」と伝えている。ただし、死傷者や行方不明者の数は明らかにしていない。

 北朝鮮では、インフラの老朽化のため自然災害によって甚大な被害が生じやすく、多くの山や丘陵地帯で長年伐採が進められていることから洪水が起きやすい。(c)AFP