【9月5日 AFP】奄美大島沖で乗員43人と牛約6000頭をのせた貨物船が沈没した事故で、海上保安庁は5日、台風10号(アジア名:ハイシェン、Haishen)の接近による高波や強風により現場海域に近づけないため、行方不明者の捜索を中断した。

 沈没した貨物船「ガルフ・ライブストック1(Gulf Livestock 1)」は2日、奄美大島付近を航行中に同海域を通過した台風9号(アジア名:メイサーク、Maysak)の影響を受け、遭難信号を発信。4日には海上保安庁が2人目の生存者を救助した。

 5日夜には同海域をさらに強い台風10号が通過する見通しで、最大瞬間風速80メートルの「猛烈な風」を伴うと予想されている。

 現地当局者によると5日朝には空からの捜索も行われたものの、行方不明者の手がかりは得られず、台風10号通過まで捜索を中断する判断が下された。

 2日夕方に1人目の生存者が救助され、次いで4日に発見された1人は死亡が確認されている。

 貨物船はフィリピン人39人、ニュージーランド人2人、オーストラリア人2人をのせ、ニュージーランドのネーピア(Napier)から中国の唐山(Tangshan)港に向けて航行中だった。以前にもエンジントラブルに見舞われたことがあったという。(c)AFP