【9月5日 AFP】全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2020)は4日、女子シングルス3回戦が行われ、大会第4シードの大坂なおみ(Naomi Osaka)はウクライナのマルタ・コスチューク(Marta Kostyuk)を6-3、6-7(4-7)、6-2のフルセットで下し、ベスト16入りを決めた。

 2018年の全米を含む四大大会(グランドスラム)通算2勝を誇る大坂は、無観客のアーサー・アッシュ・スタジアム(Arthur Ashe Stadium)で、ノーシードの世界ランク137位に2時間33分の激闘を強いられた。試合後には、「彼女はとても良かった。将来どうなっていくのか怖いくらい」と相手をたたえた。

 大坂は第2セットにフラストレーションを募らせる場面があった。3-5の劣勢から追い上げてタイブレークに持ち込んだ後、結局このセットを取られてセットカウント1-1とされると、ラケットを放り投げてしまい、「とにかく、無駄にしてしまったポイントがたくさんあった。こっちがギアを上げるところで受け身になってしまい、そうしたら向こうが恐れを知らずに攻めてきた」と振り返った。

 それでも最終セットで経験を生かし、自身のサービスゲームをキープしつつ相手を2度ブレークすることに成功した大坂は、第14シードのアネット・コンタベイト(Anett Kontaveit、エストニア)との4回戦に勝ち進んだ。

「勝てたのは恐らく経験(の差)。彼女はとても若いし、こういう試合は自分の方が数をこなしてきた」

 ハイチと日本にルーツを持つ大坂はこの日、2月に米南部ジョージア州ブランズウィック(Brunswick)の住宅地をジョギング中に射殺された黒人男性アマード・アーベリー(Ahmaud Arbery)さんの名前が入ったマスクをつけてコートに入場した。

 今大会では数種類のマスクで人種差別や警察の暴力で犠牲になった人々への敬意を表する計画の大坂は、「皆さんに知ってもらいたいのは、事件は完全に避けられたということ。こんなのは起きる必要がなかった。これらの死は何一つ起きるべきではなかったし、とにかく皆さんに犠牲者の名前を知っておいてもらいたい」と語った。(c)AFP