【9月4日 AFP】(更新、写真追加)奄美大島沖で乗員43人と牛約6000頭をのせた貨物船が沈没したとみられている事故で、海上保安庁は4日、乗員1人の死亡と、2人目の生存者の発見を発表した。沈没の要因になったとされる台風よりもさらに強い台風が近づく中、依然行方不明の40人の捜索を急いでいる。

 沈没したとみられる船は「ガルフ・ライブストック1(Gulf Livestock 1)」。 2日夕方、生存者1人が救助され、次に発見された1人は死亡が確認された。

 5日夜には同海域を台風10号(アジア名:ハイシェン、Haishen)が通過する見通しで、最大瞬間風速80メートルの「猛烈な風」を伴うと予想されている。

 この台風の接近で、捜索活動への期待が薄れる中、海上保安庁は4日午後になって、2人目の生存者を救助したと発表した。

 救助されたのは30歳のフィリピン人の甲板員。小宝島から数キロ離れた場所で、救命いかだに乗っているところを発見されたという。

 巡視船が発見した際、いかだに乗っていたのはこの男性だけで、海上保安庁によると、男性は自力で歩くことができたという。

 フィリピン人39人、ニュージーランド人2人、オーストラリア人2人が乗っていたガルフ・ライブストック1は、ニュージーランドのネーピア(Napier)を出発し、中国の唐山(Tangshan)港に向かう途中だった。

 沈没する前にエンジンが故障していたとされているが、同船のエンジントラブルはこれが初めてではない。オーストラリアの監視機関による昨年の報告書には、同船は中国への航海中にメインエンジンが不具合を起こし、25時間にわたって漂流したと記録されている。

 ニュージーランド政府は事故を受け、牛の生体輸出の一時中止を発表している。(c)AFP/Natsuko Fukue and Kyoko Hasegawa, with Cecil Morella in Manila