【9月4日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が2018年に訪仏した際、第1次世界大戦(World War I)で戦死しフランスの墓地に埋葬されている米海兵隊員らを「負け犬」「間抜け」と呼んだとする記事が3日、米誌アトランティック(Atlantic)に掲載された。

 パリ東部にあるエーヌ・マルヌ米国人墓地(Aisne-Marne American Cemetery)へのトランプ氏の訪問中止は、側近が行った公式説明によれば、雨のため大統領専用ヘリコプターが離陸できなかったからだとされている。

 だが、ジェフリー・ゴールドバーグ(Jeffrey Goldberg)編集長が手掛けた記事によると、実際はトランプ氏が「雨で髪がぼさぼさになるのを嫌がって」訪問を拒否したのだという。

 記事には、「訪問が予定されていた日の朝、トランプ氏は高官らとの会話で『なぜ、あの墓地に行かなければならないんだ? 負け犬で埋め尽くされた場所だ』と言った」「訪仏中の別の会話でも、トランプ氏はベロー・ウッド(Belleau Wood)の戦いで死亡した1800人以上の海兵隊員について、殺された『間抜け』と呼んだ」と記されている。

 いずれの会話も、その場にいた匿名の人物4人から聞いた話だとしている。

 トランプ氏と側近らは、この記事を激しく非難。トランプ氏は「でっち上げ」だと記者団に述べ、証言者が「実在するとしたら、下劣なうそつきだ」「わが国の倒れた英雄たちについて、そんなことを言ったことはないと誓ってもいい」と記事の内容を否定した。

 ただ、トランプ氏は2016年の米大統領選中、ベトナム戦争(Vietnam War)で捕虜となり英雄として知られていた故ジョン・マケイン(John McCain)米上院議員に対し、「彼は戦争の英雄などではない。捕まったから英雄視されているのだ。私は、捕まらなかった人たちのほうが好きだ」と発言し、侮辱的だと指摘されている。(c)AFP