■「自己制限遺伝子」

 一方、英国を拠点とし、米国のファンドから資金提供を受けているオキシテック(Oxitec)という企業は、遺伝子操作を施した蚊を米フロリダ州で野生に放出する事業について、米環境保護当局から承認を得ている。

 オキシテックの広報担当者は、AFPの取材に「オキシテックの安全で人を刺さない雄の蚊は、感染症を拡散させている野生の蚊の個体数抑制を目的としている」と語った。

「オキシテックの雄の蚊は、自己制限遺伝子を持っている。この雄が野生の雌と交尾すると、その子孫は自己制限遺伝子のコピーを受け継ぎ、これによって子孫の雌は成熟期まで生存することができなくなる」という。結果、「野生の蚊の個体数が減少する」と同社では説明している。

 自然の蚊と闘うため、フロリダの青空の下には遺伝子操作された蚊、約7億5000万匹が放出される予定だ。(c)AFP/Nicolas GUBERT / Amelie BAUBEAU