【9月4日 AFP】(更新)米大統領選の民主党候補、ジョー・バイデン(Joe Biden)前副大統領は3日、米ウィスコンシン州で背後から警察に繰り返し銃で撃たれたジェイコブ・ブレーク(Jacob Blake)さんと電話で話をしたことを明らかにした。ブレークさんは、自分を打ち負かすものは「何もない」と話したという。

 バイデン氏は、ブレークさんの銃撃事件を受けて先週、抗議デモが行われ混乱が生じた同州ケノーシャ(Kenosha)を訪問。教会で地元住民らと対面し、「ジェイコブさんと電話で話す機会があった。彼は(集中治療室を)出ており、私たちは15分ほど話をした」と述べた。

「彼は、自分を打ち負かすことは何もない、また歩けるようになってもならなくても、諦めないと話した」とバイデン氏は明かした。

 バイデン氏はこれに先立ち、同州ミルウォーキー(Milwaukee)の空港でブレークさんの父親や3人のきょうだいと面会した。ブレークさんの母親とは電話で話をした。

 親族との面会は非公開で、バイデン氏に同行していた報道陣も同席は認められなかった。

 自分は楽天家だと公言しているバイデン氏は、ケノーシャの教会で開いた対話集会で、米国人の大半は人種差別抗議運動「Black Lives Matter(黒人の命は大切)」を支持しているが、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の人種問題をめぐる興奮した発言が「人間の本性の暗い面を正当化」して、トランプ氏一人が悪いわけではないものの、人種的な敵意があおられていると述べた。

 トランプ大統領も1日、ケノーシャを訪問したが、ブレークさんの家族との面会は実現しなかった。トランプ氏の訪問について、同市市長とウィスコンシン州知事(いずれも民主党)は、緊張が高まる恐れがあると訴えていたが、トランプ氏は訪問を敢行した。(c)AFP/Jim Watson, with Michael Mathes in Washington