【9月4日 AFP】ロシア政府は3日、同国の野党勢力指導者アレクセイ・ナワリヌイ(Alexei Navalny)氏の毒摂取にロシアが関与したとの主張を否定した。ドイツ政府はこれに先立ち、同国で治療を受けているナワリヌイ氏が神経剤のノビチョクを摂取したと発表し、国際社会による対応を求める声が高まっている。

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 ナワリヌイ氏は先月、飛行機内で体調を崩し、シベリア(Siberia)の病院で治療を受けた後、ドイツの首都ベルリンへ移送された。

 ノビチョクは2018年、英イングランド南部ソールズベリー(Salisbury)で起きたロシア人元二重スパイのセルゲイ・スクリパリ(Sergei Skripal)氏とその娘の暗殺未遂事件で使用された神経剤で、ナワリヌイ氏がノビチョクにさらされたとのドイツ政府の発表でロシアへの非難が相次ぎ、捜査を求める声が高まっている。

 ロシア政府はナワリヌイ氏が毒を摂取したとの証拠はないと否定しており、ドミトリー・ぺスコフ(Dmitry Peskov)大統領報道官は3日、ドイツはロシアに証拠を提供していないと述べた。

 ペスコフ氏は「ロシア国家を非難する理由はない」と明言。経済制裁に関する協議を拒否し、「性急な判断」を下さないよう、西側諸国に呼び掛けた。(c)AFP/Michael MAINVILLE