【9月5日 CNS】中国では成人独身人口が2億人を超え、「第4次大量独身時代」を迎えている。出会いを求める若者は婚活サイトを活用しており、婚活・恋活サイト業界は1兆円近い規模に発展。同時にトラブルも多く発生し、社会問題となっている。

 中国大手のマッチングアプリ「探探(Tantan)」と中国社会科学院が合同で調査したリポート「1990代後半生まれの若者の社交関係」によると、1995年以降に生まれた成人独身の8割以上が人脈を広げるツールとして会員制交流サイト(SNS)を活用。58%がSNSを通じて恋愛・結婚相手を探している。高学歴層ほどSNSを重視し、特に女性が活発という。ネット上で話が合う人と「実際に会いたい」という人は48.6%に達する。

 ネット通販データの「電数宝」(Data.100ec.cn)によると、2019年の婚活・恋活サイト業界の売り上げは61億元(約947億円)。2018年の52億元(約808億円)から17.3%成長した。一方、消費者サービスプラットフォーム「新浪黒猫(Tousu Sina)」のクレームサイトで、「婚活・恋活」を検索すると約300項目もあり、恋活・婚活サイト「友縁在線(Youyuanzaixian)」と「珍愛網(Zhenai)」へのクレーム投稿は3496件と1043件に上った。そのほか、「世紀佳縁(Jiayuan)」「百合網(Baihe)」「陌陌(Momo)」「探探」などのサイトへの苦情も少なくない。料金トラブルや相手の身分詐称、不当な契約、個人情報漏えいなどが主な問題だ。

 トラブルの一因として、婚活・恋活アプリの登録審査が甘いことが指摘されている。新規に会員登録する際、性別や生年月日、勤務地、携帯番号などの情報だけで完了でき、一部のサイトは顔認証システムを導入しているが、実際は形骸化している。

 このため、マッチングアプリが「お勧めの相手」と紹介する人物が、実際は登録情報と全く異なるということが多発し、さらにサイトの苦情相談窓口に連絡しても誠実な対応がされない事態が頻発している。

 ネットビジネスに詳しい北京志霖弁護士事務所の趙占領(Zhao Zhanling)副主任は「企業と行政部門が活発に情報を交換すべきだ。不動産情報、学歴、所有車両、犯罪歴など個人情報に基づき、正しい身分認証システムを構築する必要がある」と指摘している。(c)CNS-広州日報/JCM/AFPBB News