【9月3日 AFP】米国野球殿堂(Baseball Hall of Fame)は2日、1969年にニューヨーク・メッツ(New York Mets)をワールドシリーズ制覇に導いた殿堂入り投手のトム・シーバー(Tom Seaver)氏が、75歳で死去したと発表した。死因は、認知症と新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の合併症だという。

「トム・テリフィック」の愛称で知られた豪腕のシーバー氏は、米カリフォルニア州フレズノ郡(Fresno County)で1944年11月17日に生まれた。米大リーグ(MLB)では1967年から1986年にかけて通算20シーズンでプレーし、最初の11年をメッツで過ごした。

「ミラクル・メッツ」と称されたチームがワールドシリーズ王者に輝いた1969年には、シーズン25勝を挙げて最多勝を獲得し、自身初のサイ・ヤング賞(Cy Young Award)に選ばれた。

 通算では311勝、防御率2.86、3640奪三振を記録。サイ・ヤング賞を3度獲得し、オールスターゲーム(All-Star Game)には計12回出場した。

 名打者ハンク・アーロン(Hank Aaron)氏に「今まで対戦した中で最も手ごわい投手」と言わしめたシーバー氏は、1992年に当時歴代最高となる98.8パーセントの得票率で殿堂入りを果たしたが、2019年3月に公の場から引退していた。(c)AFP