【9月3日 AFP】2か月近く反政府抗議デモが続くブルガリアで2日、首都ソフィアの議会前で行われていたデモが暴動に発展し、機動隊に発煙弾や爆竹、石などが投げつけられた。この衝突によって多数の警察官を含む少なくとも55人が負傷し、デモ参加者ら約100人が逮捕された。

 ボイコ・ボリソフ(Boyko Borissov)政権の汚職と財閥保護に抗議し7月に始まったデモは、ボリソフ首相と主任検察官の辞任を求めている。ソフィアなどの都市で毎日抗議活動が行われており、参加者らは道路を封鎖したり、集会をしたりしている。

 この日のデモは、一連の抗議デモを終わらせる目的で提出された、物議を醸している新憲法の草案に抗議し、議会前で行われていた。

 デモの主催者らは平和的に行う予定だったと主張し、誰が発煙弾や石を投げつけたのかは分からないと話している。デモはこれまでで最も暴力的なものとなり、病院関係者によると、警察関係者37人と複数の記者を含む市民18人が負傷したという。

 警察によると、2日夜の衝突で60人を逮捕し、逮捕者は計95人になった。警察は、逮捕者の一部はウルトラスと呼ばれるサッカーの過激なサポーター集団に属しており、デモ参加者らはウルトラスの存在を把握していたはずだと述べている。

 午後9時(日本時間3日午前3時)すぎには、100個以上の発煙弾や爆竹、石、瓶などが議会を取り囲んでいた機動隊員に投げつけられた。盾を持った隊員が突撃しデモ隊を議会前の広場から排除した。

 一方、治安部隊は放水銃を配備し、デモ隊が解散しなければ使用すると警告した。

 テレビでは夜の衝突で、市民が警官に引きずられたり、拘束されたりする様子や、警官が負傷した同僚に付き添う様子が映し出されていた。(c)AFP